ひとめでわかる!かんの温泉 温泉マップ
温泉好き必見!北海道の秘湯 かんの温泉で“源泉かけ流し”を楽しむ贅沢な旅
かんの温泉の魅力といえば、なんといっても「すべて自然噴出の温泉、加温・加水なしの源泉かけ流し」であること!
そして10種類もの個性的な湯船が楽しめるのが特徴です。
実際に入浴した感想やおすすめの入り方を交えながら、かんの温泉の魅力をご紹介します。
「源泉かけ流し」とは?
源泉かけ流しとは、源泉から湧き出したお湯をそのまま使用する贅沢な温泉スタイルです。
加水や加温、循環ろ過、塩素消毒など一切行わず、純度100%の温泉をいいます。
例えるなら、果物のフレッシュジュースの搾りたてが一番美味しいように、温泉も湧きたての新鮮なお湯が最高!
特に「足元湧出」と呼ばれる湯船の下に源泉があるタイプは究極の入浴体験です!
かんの温泉の「イコロ・ボッカの湯」では、この「足元湧出」お湯を堪能できます。
標高780m、秘湯 かんの温泉へ
帯広の中心街を抜けると、十勝らしい雄大な風景が広がります。見渡す限りの畑や牧草地、遠くには山々が連なり、道東らしい真っ直ぐな道が続きます。
鹿追町に入ると景色が変わり、少しずつ山が近づき、木々が増えていきます。
然別峡線1088号線はそれほど太い道路ではありませんが、舗装されていて走りやすく、曲がりくねった道を進むにつれて標高がぐんぐん上がっていくのを感じます。
温泉宿に近づくほどに山深くなり、まさに秘湯へと向かっているという期待感が高まります。
温泉分析書から読み取るポイント
温泉地では「温泉分析書」を掲示することが義務付けられています。
そこには「泉温(源泉温度)」「湧出量」「PH値」「泉質」などが書かれており、泉質別適応症(温泉成分の効果)も確認できます。
温泉探求者として特に気にしているポイントは、「加水」「加温」「ろ過循環」「塩素消毒」の有無。
例えば、加水と加温が同時に行われている場合、温泉の供給量が不足し、水増ししている可能性があります。その点、かんの温泉は自然湧出ということもあり、季節や時間により湯温や湯量に多少の変動があるものの、純粋な温泉を楽しめるのが魅力です。

かんの温泉の湯船紹介
ウヌカルアンナーの湯(源泉10号、12号)
脱衣所から温泉へのドアを開けた瞬間、まず感じるのは独特なアンモニア臭と立ち込める湯気。
そして湯船の縁や床面には、湯の花が波状に蓄積されており、足裏にその感触が程よく伝わります。
浴槽に足を入れると、かなり熱い!
表面温度はなんと約49.7℃。
比重の関係で熱い湯は上部に、低温の湯は下部に溜まるため、表面と底で温度差がありました。
熱さが苦手な方は、無理せずにゆっくり足元から湯温を確認して入るのがおススメです。
ウヌカルアンノーの湯(源泉5号)
ウヌカルアンナーの湯が熱すぎたので、隣のウヌカルアンノーの湯へ移動。
こちらの源泉は宿泊棟にある「イコロ・ボッカの湯」と同じ源泉です。
何か違いを感じるのか感じないのか・・・、そんなことを思いながら入浴してみるのもアリかと。
こちらは約40.1℃で程よい温度。
お湯が柔らかく、肌に心地よい感触が楽しめます。
ゆったり浸かって温泉成分をじっくり感じましょう。
シロカニペの湯(源泉7号)
トンネル型の階段を24段降りた先の角にある、大人が1人入るとちょうどいいくらいの小さな湯船。
湯温は約36.5℃で、ほぼ体温と同じくらい。
岩壁から流れてくるお湯が注がれ、静かな空間で源泉かけ流しを楽しめます。
湯船に耳を傾けながら、心からリラックスできるスポットです。
波切の湯(源泉3号)
大きな湯船に窓から差し込む光が湯面に映り込み、幻想的な雰囲気。
湯温は約39.1℃と心地よく、5月頃からは湯温が上がり過ぎるため、手製の熱交換機を使って調整しているそうです。
今度は5月以降に源泉かけ流しの温度変化を実際に体験してみたいと思っています。
温泉の音と光の演出が心地よく、長居したくなる湯船です。
コンカニペの湯(源泉2号)
波切の湯から6段ほど階段を上がったところにコンカニペの湯がある。
こちらも黄金色した岩壁から源泉のお湯が流れ出ており、ちょっと足を入れてみると、この日の湯温は約31.3℃。
水風呂とまではいきませんが、まぁまぁ冷たい。
冬の季節にこの温度に入るのは厳しい人もいるかもしれない。
そこで私は、熱湯のウヌカルアンナーの湯に入り、火照った身体の体温をコンカニペの湯で冷やす。
その繰り返しをすることでサウナと水風呂の温冷交代浴っぽい感じになるので、コンカニペの湯を楽しめることができました。
イコロ・ボッカの湯(源泉5号)
温泉への出入り口には「イコロ源泉 足元湧出」の看板がある。
その名の通り豊かな源泉が足元からポコポコと湧き上がる、足元湧出の湯。
足元から自然に温泉が湧き出てくるなんて、最高すぎる!
半露天風呂ということで温度は少し低めの約36.3℃。
こちらも夏季には湯温が上がり過ぎるため、波切の湯と同じように熱交換器で温度調整をしているとのこと。
湯船に身を沈めながら、ポコポコと泡が上がってくる様子を眺める贅沢なひととき。
一度も空気に触れていない生まれたばかりの源泉に触れる瞬間が何よりの幸せです。
イナンクルアンナ―の湯(源泉4号、11号)
洗い場近くのイナンクルアンナ―の湯へ。この湯船の湯温は、約42.2℃。
程よい温度で心地よく、無色透明のお湯が特徴です。
PH値も7.2なのでお肌がツルツルする感触があり、美肌効果を感じられます。
この湯船も新しいお湯が常に注がれ、注がれた分だけの湯が浴槽の外にあふれていることが確認できます。
イナンクルアンノーの湯(源泉1号)
熱いお湯が苦手な人や温泉の効能を存分に堪能したい人は、湯温が約37.2℃のイナンクルアンノーの湯へ。
少しぬるめに感じますが、じっくり浸かることで体がほぐれていく感覚を味わえます。
同じイナンクルエリアにある露天風呂、秋鹿鳴の湯と同じ源泉を使用していますが、室内と露天とでは湯温が約3℃異なるので、その体感の違いを確認してみるのも面白さの一つです。
春鹿鳴(しゅんろくこ)の湯(源泉8号)
露天風呂へのドアを開けると真っ先に聞こえてくるのは、源泉が湯口から出てくる音です。
この音を聞くと何とも言えない気持ちとなり、早く湯船に入りたくなります。
屋根付きなので。雪や雨が降っていても大丈夫ですが、湯温は約36.0℃とぬるめです。
湯船の足元は昔のかんの温泉のタイルを残しているらしく、かんの温泉の歴史を感じる露天風呂でした。
秋鹿鳴(しゅうろくめい)の湯(源泉1号)
イナンクルの2つある露天風呂のうち、向かって左側が秋鹿鳴(しゅうろくめい)の湯です。
湯温は約34.2℃とかなりぬるめです。
冬の時期は体が温まらず、正直ちょっと寒いです。
ん?お湯の表面には油膜みたいなものが・・・
ちょっと気になったので調べてみたら、それは油膜ではありませんでした。
その正体は、温泉成分に由来する鉄分の沈殿物と、微生物が生成した粘性物質の混合物の場合が多いと言われており、人体に影響はなく、新鮮な源泉かけ流しの証とも言われてます。
まとめ
かんの温泉は、自然湧出の源泉かけ流しを心ゆくまで楽しめる秘湯です。
湯治で長期間滞在する人もいる、温泉の効能効果が高い温泉でもあります。
ここでしか味わうことができない湯船が揃っており、訪れる度に新しい発見があります。
季節や時間によっても表情が変わるため、何度でも通いたくなる魅力があります。
大自然の中で、湧きたてのお湯に包まれながら過ごすひとときは、まさに至福
ぜひ一度、足を運んでみてください。